2018.08.08
換気のススメ ~効率の良い換気編~
オオスミでは、シックハウス症候群の原因の一つとなる室内空気中のホルムアルデヒドや揮発性有機化合物(VOC)などの化学物質測定から分析・報告書作成まで一貫して対応しており、年間約2500検体にのぼる室内空気環境測定の実績を有しています。
また、ただ分析結果を出すだけでなく、指針値超過時には低減のためのアドバイスを行うなど、最後までサポートさせていただきます。
※指針値超過割合:約10%
住宅の気密性が高まり、快適なはずの家の中で「目が痛む、頭痛や吐き気、めまいがする。」などの症状が報告されています。これは、住宅建材や接着剤などに含まれるホルムアルデヒドや揮発性有機化合物(VOC)などが原因とされ、「シックハウス症候群」と呼ばれています。
測定の方法には以下のようなものがあります
測定方法 | 目的 | 方法 |
---|---|---|
アクティブ法 | 最も気温の高い時間帯で測定を行なうため、室内の最高濃度を把握することができます。 | 厚生労働省の標準的な採取方法として示されている方法です。 新築の場合は30分間、居住住宅では24時間ポンプで空気を吸引し、1箇所につき二重に測定(同時に2検体採取)します。 |
パッシブ法 (拡散法) |
室内に長時間設置して採取する為、室内の平均的な濃度を把握することができます。 | 室内に8時間~24時間採取器具を設置して測定します。 |
検知管法 (簡易法) |
その場で結果が出ることから、現状把握のためのスクリーニングを目的として使用することができます。 | 検知管をセットしたポンプで空気を吸引して測定します。 精度は高くありませんが、測定したその場で結果を把握することができます。 |
室内空気環境測定に関する厚生労働省、文部科学省、国土交通省など各施策の解説と法律などに関連する情報を紹介しています。
化学物質による室内空気汚染の改善及び健康で快適な室内環境の確保を目的として、2000年にシックハウス問題に関する検討会が設置され、化学物質の室内濃度指針値が策定されました。その後、2019年にキシレンおよびフタル酸類2種類の指針値の改定が行われました。
現在、13種類の化学物質についての室内濃度指針値が定められていますが、そのうち測定対象となる頻度が高い物質について、指針値およびその発生源となる主な建材は以下の通りです。
項目名 | 指針値 | 発生源となる主な建材 |
---|---|---|
ホルムアルデヒド | 100μg/㎥(0.08ppm) | 合板、集成材 |
アセトアルデヒド | 48μg/㎥(0.03ppm) | 接着剤、防腐材 |
トルエン | 260μg/㎥(0.07ppm) | 塗料、シンナー、接着剤 |
キシレン | 200μg/㎥(0.05ppm) | 塗料、シンナー、接着剤 |
パラジクロロベンゼン | 240μg/㎥(0.04ppm) | 芳香剤、防虫剤 |
エチルベンゼン | 3800μg/㎥(0.88ppm) | 塗料、シンナー、接着剤 |
スチレン | 220μg/㎥(0.05ppm) | 断熱材、塗膜防水材料 |
児童の健康を守ることを目的として、学校保健安全法において「学校環境衛生の基準」が定められており、その中で教室などの室内空気環境測定の定期および臨時の検査の実施と指針値が定められています。
住宅を購入する際の品質の確保を目的として「日本住宅性能表示基準」および「評価方法基準」が定められており、項目の一つに「室内空気中の化学物質の濃度等」があげられています。また、公営の住宅や施設に対しては、建設工事完了後、化学物質濃度の室内空気環境測定を実施することとされています。
シックハウスに関係する、室内空気環境測定の進め方や、測定方法の違いなど、 よくある質問を集めました。
室内空気環境測定の流れをおしえてください
新築・改修工事後測定の場合、測定対象室の工事(内装・塗装工事)が終了し、周辺工事からの影響を受ける恐れがなくなった後、十分な換気を行ってから測定を行います。常時換気が空調設備により行われる場合は、設備の試運転・調整が終了後に測定を実施します。
以下、新築・改修工事後の測定スケジュール例をご紹介します。
アクティブ法(6箇所程度の場合)
パッシブ法(24時間採取 10箇所程度の場合)
室内空気環境測定を行うタイミングはいつですか?
測定する場所はどのように選定するのですか?
室内空気環境測定中に工事を進めても大丈夫ですか?
測定にあたり、常時換気システムはつけたままでよいのでしょうか?
パッシブ法の測定時間は8~24時間とありますが、24時間の測定は必要ですか?
検査はどのように判断されますか?結果が悪い時はどうしたら良いですか?
F☆☆☆☆の材料を使っていれば安全ですか?
ワックス(その他の建材)などに測定結果に影響を与える可能性のある物質は含まれていますか?
特に結果に影響を与えやすい建材は何ですか?
建物建築時に室内空気環境測定の法的義務はありますか?
新築工事の仕様書に測定の記載がない場合はどうしたら良いですか?