微小粒子状物質(PM2.5)について環境基準制定が検討されています。

背景

2008年4月に取りまとめられた『微小粒子状物質健康影響評価検討会 報告書』において、微小粒子状物質が健康へ一定の影響を与えていることが示されました。
また、微小粒子状物質の測定精度の改善や生成機構等の情報整理といった課題とともに、環境目標値設定のための定量的リスク評価に係る手法については十分に検討すべきとされました。 これを受け、2008年11月に中央環境審議会大気環境部会より『微小粒子状物質の定量的リスク評価手法について』が取りまとめられました。
環境大臣は、2008年12月に中央環境審議会に対し、『微小粒子状物質に係る環境基準の設定について(諮問)』の諮問を行い、大気環境部会において専門委員会(環境基準専門委員会・測定法専門委員会)が設置され、随時検討がなされています。

環境基準専門委員会

2009年4月に『PM2.5環境基準専門委員会(第5回)』が開催され、今までの検討内容を踏まえ、「環境基準の設定に当っての指針値に関する検討(案)」が提出され、議論がなされました。

提出された指針では、
◎環境基準は、長期基準と短期基準を定める方向になっています。
◎長期基準は年平均値基準を採用することとし、15~18μg/㎥の値を推奨。
◎短期基準は、日平均値基準を採用することとし、年平均値の指針値に対応する日平均値の年間98パーセンタイル水準を求め、疫学・毒性学知見による検証を行ない指針値を定めることとされています。
⇒今後もしばらくは継続審議されます。

測定法専門委員会検討状況

2009年2月に『PM2.5測定方法専門委員会(第1回)』が開催され、今までに検討されてきた測定法である【標準測定法(ろ過捕集-重量測定法)】と【等価測定法(自動測定機)】の基本的条件が明らかにされました。

標準測定法は、重量計測時の温度・湿度の管理状況で値に大きな影響を及ぼすため、シビアな管理条件が定められています。
等価測定法は、複数メーカによる同時クロスチェックデータが蓄積されていますが、機種によって差が認められており、評価が十分にできていない状況で、今後も継続的な調査を進めていくこととされています。

2009年4月に『PM2.5測定方法専門委員会(第2回)』が開催され、標準測定法、自動測定法の技術的要件が整理され、討議されました。
気温・湿度等の影響を受けやすい物質であるため、設置から調査・分析の条件が細かく定められています。しかしながら、環境基準値の制定が検討中であるため、測定上管理すべき水準は確定できない状況です。

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計量証明事業登録  濃度(神奈川 第18号)