シンガポールで有名な観光スポット「マーライオン」があるエリアは「マリーナベイ」と言い、「Bay(湾)」なのですが、実は淡水のダムです。
湾の入り口にある「マリーナバラージ(Barrage=ダム)」という施設で水を堰き止め、湾の水を水の供給や水位の管理に使用しています。
東京 23 区ほどの小さな国土のシンガポールは天然の水源をもたない国でもあります。 現在、シンガポールの水源は①貯水池、②再生水、③マレーシアからの輸入、④海水淡水化の4つで、「マリーナバラージ」はシンガポールで最大の貯水池です。こんな都心にダムがあるなんてちょっと驚きました。
ダムが人気レジャースポット?!「マリーナバラ―ジ」
日本では、給水所や水路などは、単なる排水量を調節するための施設だと思うのですが、「マリーナバラージ」は、水量を管理する機能だけでなく、アート作品などの展示、サスティナブル・シンガポール・ギャラリー、展望スペース、24 時間開放の屋上オープン広場などがあり、一般客も遊べる楽しい観光スポットとなっています。
特に驚いたのが屋上で、「マリーナベイサンズ(ユニークな形で有名なホテル)」を望めるソーラーパークと芝生の公園があり、凧揚げやピクニックを楽しむ家族連れなどがたくさんいました。
シンガポールで最大規模の 405枚のソーラーパネルで発電された電力は、後述するギャラリーの照明やマリーナバラージのオフィスの日中の電力を賄っており、100%再生プラスチックを使用した屋上の人口芝と土は、建物への断熱効果があり表面温度を 3℃下げているそうです。
環境問題がアートに!「サスティナブル・シンガポール・ギャラリー」
マリーナバラージには「Sustainable Singapore Gallery(サスティナブル・シンガポール・ギャラリー)」が併設されており、国の環境への取り組みが、最新のデジタル技術やアートを使ってギャラリーの様に展示されています。
内部は A から F までの 6 つのゾーンに分かれており、A「気候変動とシンガポールへの影響」、B「シンガポールの水源問題や水が貴重であることの解説」、C「国の緑化政策」、D「未来の都市構想(スマートシティ&サスティナブルな都市)」、E「廃棄物ゼロの国を目指す取り組み」、そして、これらを踏まえたシンガポールの持続可能な開発目標と達成のための協力を呼びかけるゾーンが F、という構成になっています。
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