シンガポールは、アジアでも高水準の生活費がかかる国の1つと言われています。実際に、イギリスの国際経済誌エコノミストの調査部門、エコノミスト・インテリジェンス・ユニットによる世界で最も物価の高い都市ランキング(2022年版)で、シンガポールはニューヨークと同率でトップとなりました(東京は24位)。

 そんな都市での生活の実態を少し紹介したいと思います。

食は高いが工夫次第

furu-tu.jpg 日常生活で重要な「食」ですが、シンガポールでは食材を購入するにしてもレストランで食事する場合でも、高いと感じることは多いものの、選択次第では低く抑えることも出来ると感じています。

 例えば、牛乳(1L約250円)や卵(10個で約350円)などは日本より高いのですが、鶏肉や豚肉、生鮮野菜は日本よりも安く、日本では手軽には食べられないマンゴーやドラゴンフルーツなどが数百円で購入できるのも嬉しいです。

②ー2IMG_0374.jpg 外食は、シンガポール中あちこちにあるホーカーセンター(屋台の複合施設)であれば、美味しい『チキンライス』や様々な麺料理などのソウルフードを1食300円くらいから食べることができます。

 一方、レストランでの食事は1人約2,000円〜4,000円と日本と比べて約2倍する印象です。ちなみに、シンガポールは酒税が高いので、1人前の食事代よりも、ビール1杯の値段の方が高いことも当たり前です。

交通は日本よりも安い!

③IMG_7863.jpg シンガポールは交通網が整備されており、MRT(地下鉄)やバスを使って、国中ほぼどこでも行くことができます。ちなみに国の東西間、南北間はそれぞれ電車で1時間くらいです。
 初乗りが日本円で約90円と安いので、東京では1駅くらいなら節約のために歩くことが多かったのですが、シンガポールに来てからは外も暑いですし近距離でも電車やバスを使うことが多くなってしまいました。

 また、タクシーは初乗り約300円と利用しやすく、Grab(配車アプリ)も普及しているので荷物が多い時などは気軽に使えて便利です。

家賃は東京の2~3倍!

④IMG_4728.jpg シンガポールには一戸建て住宅はほとんどなく、国民の約85%が住む公営団地のHBDか民間のコンドミニアムに住んでいる人がほとんどです。
 都心部のコンドミニアムの賃料は、元々は東京の2~3倍くらいの印象でしたが、コロナが開けて以降は家賃が高騰し、契約更新で20~30%上がった、中には家賃が2倍になったという話も聞いたことがあります。

 また、家賃が高くなったので郊外に引っ越すという話もよく聞きますし、需要に供給が追いついていなくて、新たに赴任してきた人が住む場所が見つからないと言っています。

水道光熱費は同じくらい

 シンガポールの水道・光熱費の料金は、同じ使用量で比較した場合は日本よりも安いです。但し、1年中暑い国なので24時間365日エアコンを止めることがなく、電気の使用量が多いので、最終的な支払額は日本と同じくらいになります。
 他にも、携帯電話の通信費は日本と比べてかなり安く、個人差あると思いますが私の場合は日本で月7,000円くらい払っていたのと同等の条件で月1,500円と非常に助かっています。

 このように、物価が高いか安いかは、何を比較するのかにもよりますし、自分次第で生活費を安く抑えることもできると感じています。シンガポールは税金を安くして、富裕層や優良企業を世界から呼び込んでおり、年収1億円以上のお金持ちがたくさんいるので贅沢品や高級レストランはとことん高いです。
 一方、一般のシンガポール人の所得水準は日本とほぼ変わらず、物価の高さや所得などは、一部の超富裕層が平均値を上げている部分もあると思いました。

 シンガポールに来た当初は、買い物に行っても値段にびっくりして何も買えず、精神的に疲れてしまいましたが、今では近所のローカルスーパーで安くて美味しい食材を見つけたり、時々、運動も兼ねて近所のホーカーセンターにランチに出かけたりと、シンガポールの食生活を楽しめるようになりました。

 経営企画室 平野