今年4月、秋田県の峰浜風力発電所の見学に伺いました。
経緯としては、契約している電力会社「みんな電力」様より、弊社が再生エネルギー供給を受けている発電所の見学をご案内いただいたためです。
みんな電力様は、生産者が分かる「顔の見える電力」を提供しているため、今回の見学の主な目的は電力の生産状況の確認でした。しかし、サブテーマとして、秋田県の風土や歴史、環境面の取り組み等にも触れ、環境に関する考えを巡らせてきました。
私は、「環境」を考える上で「食」との関わりが深いと感じたため、「大潟村から食と環境を考える」としました。
大潟村の概要
まず、大潟村とはかつて全国2位の面積を誇った八郎潟を干拓後、その湖底に誕生した村のことです。
干拓の背景としては、大きく以下の2つがあります。
・戦後の食糧不足問題解決のため、干拓によって農地を作り食糧増産を目指したため。
・当時、洪水被害が多かった八郎潟の湖岸地域を守るため。
日本を支える大潟村の農業の特徴
先に記したように干拓により湖底が陸地となったため、農地では窒素、カリウム、リンなど作物に必要な養分が多く含まれる肥沃な土壌であり、農薬や化学肥料の使用は全国平均の半分以下に抑えられています。また、風が強く高湿度になりにくいことから、特に盛んな稲作では病害の発生が少なく、害虫被害も抑制されています。
このような自然からの恩恵は、秋田県の多様かつ高品質な米の生産に大きく貢献しています。
営農における人と生物の共生
大潟村の大半を占める農地には、小動物や昆虫が数多く生息し、田畑や雑木林は野鳥の営巣地となっています。
鳥類としては、日本最大の猛禽類であるオオワシをはじめ、オオタカ、ハイタカなど、環境省指定絶滅危惧種も毎年確認されています。猛禽類は生態系の頂点に位置するため、その個体数や種類の多さは村の生態系が豊かであることを表しています。
このように秋田県では、人と生物の営みが非常に密接であるとともに、営農による環境への配慮が生物多様性の豊かさに繋がっているのだと感じました。