約30年前、大学の授業のために購入した『成長の限界』という本を実家の本棚の隅に見つけました。昭和47年初版、昭和55年35版発行となっていて、なんと43年も前の本です。
地球イラスト.jpg  ローマ・クラブが人類の未来の予測をまとめた本書は今読んでも貴重な提言であふれていました。当時バブルの真っ只中の学生にとっては、本書の内容は耳の痛い、あまり実感の湧かない話でした。
 まさか、隣国中国がここまで発展し、エネルギー問題がこれほど大きくなるとは、地球温暖化を実感する時代がこんなに早く来るとは思ってもいませんでした。

現代を言い当てた文言

 試験に出るとでも思ったのか赤鉛筆でアンダーラインを引いた箇所がありました。

 技術進歩は均衡状態において必要なものであり、また歓迎すべきものである。(中略)実際的発見のいくつかの例として、次のものが考えられる。廃棄物の回収、汚染の防除、不用物を再生利用するための新しい方法。資源の枯渇の速度を減らすためのより効率のよい再循環技術。資本の消耗率を最小限にするため、製品の寿命を増加し、修復を容易にするようなよりすぐれた設計。最も汚染の少ない動力源である太陽エネルギーを利用すること。
(ドネラ H.メドウズ 、成長の限界―ローマ・クラブ「人類の危機」レポート―、1972年、ダイヤモンド社、p161、162抜粋)
 現代でも決して古くないテーマだと思います。

地球の危機的状況に何ができる?

 2013年10月米国ハワイ大学のカミロ・モサ博士達のグループは世界の各都市について新気候突入年を計算して発表しました。それは二つのシナリオすなわち①なりゆき任せ②温暖化効果ガスの排出量をある程度削減した場合で評価しており、①のシナリオでは、インドネシアのマノクワリが2020年に新気候突入年を経験するとされています。

新気候突入年とはいいかえれば<温暖化地獄突入年>である。
(山本良一、実践 低炭素革命―持続可能な社会をつくるために―、2014年、生産性出版、p8抜粋)
と、山本良一東京大学名誉教授は言われています。
 このような話を聞いても今までの生活をがらっと変えることは難しいように思われる方も多いでしょう。どうせひとりでやっても無駄、今更やっても遅いという気持ちがどこかにあるのかもしれません。

温暖化防止に少しでも役立ちたい

 オオスミではここ数年、新しいサービスのひとつとして環境省のCO2削減ポテンシャル診断(いわゆる省エネ診断)を行っています。無駄な電力を使っているのはどこか、熱源の効率的な運転ができているかなどの計測をしてCO2削減方法の提案をする仕事です。オオスミの使命.png
 一歩ずつではありますが、このように危機的状況に向かっている地球の温暖化を少しでも食い止める仕事として進めていきたいと考えています。今からでも遅くない、力を合わせてやってきましょう、という気持ちで毎日仕事を進めています。

東京支店長 鈴木