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"さざれ石" ってパワーを感じる!

 みなさんは「巌(いわお)」を見たことはありますか?

 君が代の歌詞のなかに、"・・さざれ石の巌となりて・・"という部分があります。"さざれ石"とは小さな石のことを指し、学術上の名前は石灰質角礫岩です。この小石が風雨に打たれるたびに、少しずつ雨水に溶け出し、すき間に入り込んだり、角張った岩同士を結合させたりする役割を果たし、長い時間をかけて大きな岩となります。これを巌と呼びます。

 実は、比較的大きな神社には、さざれ石が巌になった状態のものが祀られていることが多いです。明記は、"さざれ石"となっていることが多いです。趣味として、神社・仏閣に参拝に行くことが多いので、その時に撮った写真の一部を添付します。

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 写真を見ているだけでもパワーを感じませんか?"さざれ石"をよく見てみると小さな石が炭酸カルシウムをバインダーとして大きな岩石を形成しているのがわかります。

大切なものは時間をかけて

 形成するまでの年月を考えると自然の力の凄さを感じない訳にはいかなくなります。この形成の仕方は、炭酸カルシウムと石のバランスの違いはあるにしてもコンクリートの形成とよく似ています。

コンクリートは、セメントに骨材(小石など)を混ぜて形成します。無機材料(鉱物、コンクリートなど)は弊社でも分析することが多く、エネルギー分散型X線検出器付き走査電子顕微鏡(SEM-EDS)や粉末X線回折装置(XRD)を用いて分析を行うことができます。

 "さざれ石"を見ても、ついついどんな鉱物で形成されているのか分析したい衝動に駆られもしますが、流石に神々しすぎて破壊する気にはなれません。

 コンクリートとの違いは、構造上ではそれほど無いにしても、なぜパワーを感じるのか、それはきっと、悠久の時間がかかったものだからではないでしょうか。スピード社会の現代ではありますが、大切なものは時間をかけてでも取組みたいものです。

 分析技術グループ 宮崎