「再エネ100宣言 RE Action」とは、企業が使用電力を100%再生可能エネルギーに転換する意思と行動を示し、再エネ100%利用を促進する枠組みです。同様のイニシアチブであるRE100との違いは、使用電力量に関わらず参加できることです。RE Action は規模に関わらず、100%再生可能エネルギーへの転換を目指す企業が加盟できることから「中小企業版RE100」とも呼ばれています。
1.再エネ100宣言 RE Actionとは
RE Action(アールイーアクション)とは、企業、自治体、教育機関、医療機関等の団体が使用電力を100%再生可能エネルギーに転換する意思と行動を示し、再エネ100%利用を促進する枠組みです。2023年8月時点で332団体が参加しています。同様のイニシアチブであるRE100との違いは、使用電力量に関わらず参加できることです。
RE100は、電力消費量が100GWh以上(日本企業は50GWh以上)であることや国際的に認知されているブランドであることなどの条件があり、RE100に賛同したくても条件を満たせない企業も多いと思います。RE Action は規模に関わらず、100%再生可能エネルギーへの転換を目指す企業が加盟することができることから「中小企業版RE100」とも呼ばれています。
1-1 「RE Action 」は何と読む?
正式名称の「再エネ100宣言 RE Action」は、ちょっと長い!しかも日本語(漢字とカタカナ)と数字とアルファベットが混ざっているので、最初に見た時はスッと読めなかった方もいると思いますが(私が読めなかっただけなのですが...)、以下の様に読みます。
※「RE Action」は、「リアクション」ではありませんよ!!
1-2 どこが運営している?
「再エネ100宣言 RE Action」は、一般社団法人再エネ100宣言 RE Action協議会が運営しています。また、活動の応援者として、外務省、環境省、防衛省や多くの自治体がアンバサダーとなっています。
再エネ100宣言 RE Action>アンバサダーからのメッセージ
1-3 参加企業数
RE Actionへの参加企業数は年々増加傾向にあり、2025年1月時点で390の団体が参加しています。「再エネ100宣言」をした全企業のリストや各社の目標は公式サイトで確認できます。
再エネ100宣言 RE Action>各団体の目標
1-4 RE100との違い
「RE100」と「再エネ100宣言RE Action」は、どちらも再生可能エネルギーの利用促進という共通の目標を持ちますが、参加企業の規模や取り組みの進め方などが異なります。
名称 | RE100 | 再エネ100宣言RE Action |
---|---|---|
エリア | グローバル | 日本国内 |
対象 | 主に大企業 | 中小企業も参加できる |
参加基準 | 厳格 | 柔軟 |
目標 | 遅くとも2050年までに再エネ100% 達成を目標とする、また、中間目標として、 2030年までに60%達成を、 2040年までに90%達成を目標とする | 遅くとも2050年までに再エネ100%達成 を目標とする (中間目標は任意) |
参加企業数 2025.1時点 | 89(日本企業の数) | 390 |
2.「再エネ100宣言 RE Action」の参加要件・費用・目標設定
2-1 参加要件
公式サイトに掲載されている参加要件は以下の通りです。
① 遅くとも2050年迄に使用電力を100%再エネに転換する目標を設定し、対外的に公表する
-参加団体自身のウェブサイトへ宣言内容を掲載((プレスリリース等の実施を推奨)
-中間目標の設定(推奨)
目標例:2020年30%、2030年60%、2040年90%、2045年100%
② 再エネ推進に関する政策エンゲージメントの実施
(再エネの普及に関する政策提言への賛同など)
③ 消費電力量、再エネ率等の進捗を毎年報告する
2-2 参加費
企業の参加費は以下の通りです。
従業員数 | 年額 |
---|---|
10人以下 | 25,000円 |
11人以上300人以下 | 50,000円 |
301人以上500人以下 | 75,000円 |
501人以上1,000人以下 | 100,000円 |
1,001人以上 | 200,000円 |
2-3 目標設定
「再エネ100宣言RE Action」の目標設定の要件は、遅くとも2050年までに使用電力を100%再エネに転換することです。中間目標の設定は任意(推奨)です。
<公式サイトで示されている目標例>
2020年30%
2030年60%
2040年90%
2045年100%
再エネ100宣言 RE Action>各団体の目標
(オオスミの目標の例)
3.中小企業向け「RE Action」参加のメリット
再エネ宣言 RE Action参加のメリットは、次の5つと公式サイトに掲載されています。
①企業価値の向上やビジネスチャンスの拡大
②ロゴの使用
③「脱炭素コンソーシアム」への参加
④参加団体、RE100参加企業などとの交流
⑤各種制度の利用(省エネ、再エネ補助金などで優遇されることがあります)
3-1 企業価値の向上やビジネスチャンスの拡大
再エネ100宣言を行うことで、企業のイメージ向上や他者との差別化、従業員やステークホルダーの意識向上に繋がります。実際に、再エネ100宣言 RE Action年次報告書2024では、「企業価値の向上、他社との差別化につながった」と考えている団体が半 数近くあったことが示されています(アンケートに回答した267社中、136社)。
3-2 ロゴを使用してPRができる
名刺やウェブサイトにロゴを掲載することで、脱炭素やカーボンニュートラルへの取り組みをPRできます。
(オオスミの名刺やウェブサイトの例)
3-3 「脱炭素コンソーシアム」への参加
「脱炭素コンソーシアム」とは、JCLP(RE100参加企業等が参画している)およびRE Actionの参加メンバーで構成されるコミュニティーで、再エネや脱炭素化に関する課題や知見・ノウハウを共有し、実現に向けて協働、共創を促進するウェブプラットフォームです。個別企業が抱えている課題、点在しているソリューションやノウハウを共有したり、情報交換を通じてビジネスマッチングなどができます。
3-4 参加団体、RE100参加企業等との交流
再エネ100宣言 RE Actionが主催・登壇・協力するイベントに参加することで、参加企業同士の交流が図れます。
3-5 省エネ・再エネ補助金などの優遇
「再エネ100宣言RE Action」に参加していることで、省エネに関する補助金の加点や優遇は受けられることがあります。
(参考)再エネに関連する補助金情報 2024年度
弊社(株式会社オオスミ)では2023年に「再エネ100宣言RE Action」に参加をしました。今までに行ってきた取り組みは、省エネ、照明のLED化、太陽光発電の導入、再エネ由来の電力会社への切り替えなどです。これらの取り組みで再エネ達成率は93%になりました。
今後も自社のカーボンニュートラル達成に向けて取り組みを進めるとともに、省エネコンサルティング事業を通じて、RE100達成を目指す企業様の支援を行っていきます。