最近、「カーボンニュートラル」「脱炭素」「海洋プラスチックごみ」などと同様に、持続可能な社会の実現に向けた動きとして注目が高まっているのが「生物多様性」「ネイチャーポジティブ」です。
 先日、経営企画室の平野と総務グループの友広の2名で、横浜商工会議所・横浜市環境保全協議会・横浜市みどり環境局 共催の「ネイチャー・ポジティブ視察・体験会」に参加してきましたので、その内容を紹介します!

横浜自然観察の森

 unnamed1.JPG体験会が開催された「横浜自然観察の森」は、環境省指導のもと身近な自然とふれあえる場として設置された横浜市の自然教育施設です。

 約44ヘクタールのエリアに、野鳥をはじめとする多くの生きものが生息する環境が残された森で、これまでに約3,500種類の動植物が確認されているそうです。

生物多様性とは?なぜ大事なの?

 体験会では初めに座学があり、(公財)日本野鳥の会の方から「横浜市の自然と生物多様性保全の重要性」について、レクチャーをしていただきました。

 生物多様性とは、地球上に存在するあらゆる生物の種類、その遺伝的多様性、そして生物集団や生態系の多様性の総称です。つまり、単に生物の種類が多いだけでなくお互いに関係していることが重要なのだと学びました。unnamed2.jpgまた、生物多様性には3つのレベル、①遺伝子の多様性、②種の多様性、③生態系の多様性、があり、このバランスが崩れてしまうと生物多様性の損失が起こってしまうことを知りました。

 座学の後は実際に自然観察の森に出かけて、外来植物の除去作業を行いました。森の中には「セイタカアワダチソウ」という外来植物がたくさん生えており、そのために在来植物が減ったり、相互に関係する生き物にも影響を与えてしまったりするそうです。

 座学を受けるまでは、緑は多ければ多いほど良いように思っていたのですが、緑を増やし動植物を保護すると同時に、外来種の駆除や外来植物の除去も行う必要があることを学び、私たちにもできることがないか考えてみたいと思いました。

このセイタカワダチソウは、除去してもすぐに生えてきてしまうので、根っこから抜いてください!とのことで、猛暑日の中で大汗をかきながら、参加者の皆さんとたくさん草取りをしました。

企業の関心の高まりや重要性

unnamed3.png 企業が生物多様性に取り組むことは、持続可能な経済活動を確保するために必要不可欠です。生物多様性の減少は、食料供給、水資源、気候調整などの生態系サービスに深刻な影響を与え、企業の事業運営にも直接的なリスクを引き起こします。

 また、企業は供給チェーンや製品のライフサイクルを通じて生物多様性への影響を持ち、その責任を果たすことが求められます。企業が自らの自然環境や生物多様性への影響を評価し情報開示する「TNFD(Taskforce on Nature-related Financial Disclosures)」や、2030年までに陸と海の30%以上の生態系を保全しようとする「30 by 30」の達成に向けて企業などが参加する「30by30アライアンス」に参加する企業も増えているそうです。

 そのような中で今回の体験会は、企業のネイチャーポジティブに繋がる活動を促進したいという目的で開催されたと聞きました。
 個人的にはとても良い内容だと感じましたので、横浜市の企業さんでこれから生物多様性やネイチャーポジティブへの取り組みを検討する際には、ぜひ一度参加してみると良いと思います。

 経営企画室 平野 
 総務グループ 友広