危険物というと、言葉から何だか危ないもの!というイメージは付くと思いますが、その詳細は皆さんご存知でしょうか?今回は環境分析の仕事と私たちの日常に関係する危険物を簡単に紹介していきたいと思います。

 まず初めに、危険物とは消防法で定められ、特定の性質を示す物質のことを指します。消防法なので基本的に火災を引き起こす原因となるものが中心になってきます。シアンなどの物質は人体に悪影響を及ぼし大変危険ですが、火災の原因にはなりませんので、危険物としては指定されていません。

燃えない危険物

 o-smi_0243.jpg火災の原因になる物質というと、危険物は燃えるものであるという印象を与えてしまうかもしれませんが、必ずしもそうではありません。危険物はその性質によって第1類から第6類まで分類されていますが、その第1類と第6類は燃えない危険物である酸化性物質になります(第1類:酸化性固体、第6類:酸化性液体)。酸化性物質はそのものに火を付けようとしても燃えませんが、布やアルコールなどの可燃物と接触や混合させると反応を起こし可燃物を燃やします。

 環境分析ではCOD(化学的酸素要求量)の分析で過マンガン酸カリウムや二クロム酸カリウムなどの酸化性物質を使用し、有機物を分解することで分析を行っています。ちなみに、低濃度の溶液として使用するため発火はしません。

身の周りの危険物

 24463218_s.jpg先程の例は日常生活では使用しませんが、私たちの身の回りにも危険物として指定されている物質は沢山あります。例えばガソリンなどが分かりやすい例になります。ガソリンは第4類の引火性液体に指定されており、静電気でも発火してしまうことがあるため給油する際には静電気の除去を行う必要があります。また、同じ引火性液体でも種類は様々であり、より危険性の低いオリーブ油も同じ引火性液体の危険物として指定されています。 危険物はガソリンのように正しく使用すればとても便利である反面、間違った使い方をすると重大な事故につながる可能性があります。

 私も薬品を使用して分析を行う身として、使用する薬品の危険性を理解し、後輩に伝えられるように日々精進していければと思います。

鈴木(圭)