きっかけは取引先(大手企業)の脱炭素経営

be01.png 昨年末に、ある中小企業様から、「脱炭素やカーボンニュートラルについて全社員で学びたいので、勉強会を開催してもらえないか」とご相談をいただきました。

 きっかけをお尋ねしたところ、取引先の大手企業がカーボンニュートラルの取組を積極的に進めていることから、今後は協力会社を選ぶ際に、品質や価格だけでなく、カーボンニュートラルへの取組が評価されるのではないかと考えている、そのために早くから取り組んでおきたい、とのことでした。

全社員参加の真剣な勉強会

bensi.JPG 社内勉強会は、「やるからには全社員で取り組む必要がある!」という役員の方のお考えにより、本社の方は対面で、出先の方はリモートで約30名全員が参加して行いました。
(全員が受講できるよう4回に分けて開催)

 内容は、「地球温暖化のメカニズム」「パリ協定について」「カーボンニュートラルの内外の動向」「大企業の脱炭素経営の動向」「中小企業への影響」などで、質問タイムでは、「自社の業界でできそうな脱炭素は?」「再生可能エネルギー由来の電力に切り替えるにはどうしたらよい?」「日本はもっと地熱発電を増やせないのか?」等の具体的な質問が多く寄せられ、ほぼ全員が質問や意見を述べる積極的な姿勢に驚かされました。

RE100、SBTには中小企業版もあります!

be02.png 以前書いたブログ「『2050省エネチーム』が、カーボンニュートラルを支援します!」の中で、TCFD※1 、SBT※2 、RE100※3 などの国際的なイニシアチブへ加盟する日本企業が増えていることや、サプライチェーン全体で脱炭素に取り組むために、スコープ1,2,3※4 による温室効果ガス(GHG)排出量の把握をする企業が増えていることに触れました。

 勉強会を行った企業の取引先の中には、このイニシアチブに参画している大手企業が何社もありました。やはりカーボンニュートラルの波は、サプライチェーンを通じて中小企業へも来ているのだということを実感しました。今後は、戦略的にカーボンニュートラルに取り組む中小企業が増えてくるのではないでしょうか。

 ちなみに、RE100やSBTには中小企業版もあり、参画する企業が増えています。今回の企業様も環境経営に関する第三者認証の登録を検討されているそうです。

 オオスミでは、カーボンニュートラルに取り組む企業様の支援を行っていますので、お気軽にご相談ください。

※1:気候関連財務情報開示タスクフォース 
※2:科学的根拠に基づいた知見に整合する温室効果ガスの削減目標
※3:企業活動に必要な電力を100%再生可能エネルギーで調達することを目標に掲げる企業が加盟するイニシアチブ
※4:スコープ1は直接排出、スコープ2は調達電気など他所で生産されたエネルギー起源のGHG排出量、スコープ3はその他の間接排出、全て合わせるとサプライチェーン全体の排出となる

経営企画室 平野