アスベストによる健康被害が社会問題として話題になったのは、私がまだ小学生だった15年ほど前のこと。幼いながらもニュースで日々取り上げられ、日々アスベストという言葉を耳にしていたことを覚えています。

fukituke.JPG 現在でも時たまアスベストによって健康被害を被った方々の訴訟についてのニュースを目にすることがあるかと思います。さらに昨年末には、珪藻土バスマットや珪藻土コースターなどの市販商品にアスベストが混入していた問題などによって、一般の方々が再びアスベスト問題に触れる機会が増えたのではないでしょうか。

 オオスミに入社し、アスベスト調査を行う調査第三グループに在籍して半年が過ぎましたが、アスベストに関しての知識はまだまだ未熟です。この機会に、アスベストとは何なのか、なぜ問題があるのかなど、簡単に振り返っていきたいと思います。

アスベストとは?なぜ危険なのか

 アスベストとは主に石綿(「いしわた」、「せきめん」)と呼ばれ、熱や摩擦などに強いため、建材、摩擦材といった3000種にも及ぶ様々な工業製品に使用されてきた天然の鉱物繊維です。
 その繊維はとても細く、なんと髪の毛の約5000分の1と言われています。そのため、飛散すると空気中に浮遊しやすく、吸入して肺の組織内に長く滞留したことが要因となって、肺の線維化やがんの一種である肺がん、悪性中皮腫などの病気を引き起こすことがあります。

 これらの病気は、長い期間を経て発症することなどから「静かな時限爆弾」などと恐れられているのです。1960年代の高度経済成長期に多く使用されていたため、その当時建設業に従事していた方々への健康被害が問題となり、今も訴訟問題としてニュースで取り上げられています。

アスベストと今後

sigotofukei.png 2006年に使用が全面禁止となったアスベストですが、1956年~2006年に建てられた民間建築物にはアスベストが使用された可能性があり、アスベストはまだまだ身近なものとして知っておくべき問題です。

 また、2028年には建物の解体数がピークに達するという推計も報告されています。そのため、今後もアスベスト調査は重要度の高い業務となります。私自身も知識を深め、業務をレベルアップさせるとともに、身に付けた知識をお客様へ還元できるようならなければいけないと感じました。

 今回紹介した内容は、ほんの一部でアスベストに関する知識の序章にすぎません。私も業務の中で日々勉強している最中です。また次回ブログを書く機会をいただけた際には、もっと専門的な知識を含めた内容でアスベストについてご紹介できればと思います。

 調査第三グループ 眞田