bun.JPGオオスミの分析技術グループでは、精度管理の精度確保、技術の向上について、長年模索していました。

 そして4年前にたどり着いたのが、同業他社との「共同精度管理」でした。お付き合いのある会社に「より、お客様に常に正しい値を報告することはできないだろうか?」と相談したところ、快く一緒にやろう!と返事を頂きました。

 精度管理は、大きく、外部実施の外部精度管理と社内での運用による内部精度管理に分けられます。

外部精度管理とは・・・

 環境省、(社)日本環境測定分析協会、神奈川県環境計量協議会、メーカー等が主催する精度管理で環境測定を行っている同業他社が参加する精度管理です。

 外部精度管理に参加することによって、自社の分析の確認ができます。ただし、参加機関が多いため、報告してから結果集計が配信されるまでに、時間が数か月~半年程度かかるので、もし不具合があった場合は、対処が遅れてしまいます。また、頻度も年に十数回程度、項目も選ぶことはできません。

内部精度管理とは・・・

 オオスミ社内で、ルールを作り、分析の精度を定期的に確認するものです。例えば、操作ブランク試験、添加回収試験、機器の安定性試験等を実施しています。定期的に行うため、操作上の不具合や機器のメンテナンスが必要な時期等が確認できます。ただし、内部のみの評価になるので、ベースが誤っていた場合、気付けないという懸念があります。まずありえませんが・・・

問題解決のために・・・

 では、これらの問題点を満足するためには、何をしたらよいか???

 ここで思いついたのは、同業他社さんを巻き込んだ共同精度管理でした。グラフ.png上記2つの良いところを持ち合わせたのが、共同精度管理です。外部精度管理のように同業他社と評価し合います。2社間での精度管理ですので、結果の評価も速く、また分析項目も両社で選定できます。さらに、内部精度管理とは異なり、他社と評価し合えることで、気付きづらい内面も防ぐことが可能です。

 現在、始めてから4年ほど経ちます。最初は簡単なところから始めましたが、最近は実試料を用いた共同精度管理も行っています。

 これだけで終わらずに、お客様に「より正確な分析結果を報告!」出来るように、日々取り組んで行きたいと思います。

分析技術グループ 小谷