私の所属している部署は土壌汚染に関する業務を行っています。具体的には、対象地について土壌汚染の状況を調査します。その結果、汚染が判明した場合、汚染物質を浄化して土壌汚染を修復する「土壌汚染対策工事」を実施する場合があります。
対策方法は汚染物質の種類により異なりますが、弊社では重金属類と呼ばれる物質に汚染された土を掘削して、きれいな土に入れ替える掘削除去による土壌汚染対策工事を主に実施しています。この対策工事を実施するにあたり、いくつかの留意点があります。
汚染範囲を正確に取り除く
土壌調査により汚染範囲が確定したら、まず測量機器を用いて、汚染範囲を正確にマーキングします。その後、バックホウ等の重機で汚染範囲の土を掘削します。その際、所定の深度まで掘削していることを測量機器で確認しながら慎重に掘削していきます。
掘削後には、所定の範囲を掘削していることを確認するため、メジャー等の計測器で掘削の出来形を測定し、その状況を写真撮影して記録します。写真を撮影する際には、後で寸法値が確認できるようメジャーの全景写真及び始点、終点の拡大写真を撮る必要があります。この出来形写真に不備があると、最悪の場合は対策工事をやり直すこともあります。
汚染を拡散させない
汚染されていない範囲については事前にブルーシートを敷いて汚染が拡散をしないように準備して、掘削時には周辺に汚染土が拡散しないよう適宜散水をしながら工事を進めていきます。
掘削した汚染土は汚染土壌処理施設に運搬して、適正に処理することが土壌汚染対策法という法律で義務付けられています。これは、掘削除去した汚染土が不法投棄等による新たな汚染の拡散を防ぐことを目的としています。
掘削した汚染土はダンプトラックに積込み、汚染土壌処理施設に運搬しますが、その際には、周辺への汚染土の飛散を防止するため、荷台にシートをかけて運搬します。さらに管理票と呼ばれるものを交付して、汚染土が適正に運搬・処理されたことを確認し、数年間保管します。
きれいな土で埋め戻す
埋め戻す土については、事前に分析を行って汚染物質が含まれていないことを確認して埋戻し土の品質管理を徹底しています。
以上のように土壌汚染対策工事は通常の土木工事に比べて、周辺環境に十分留意する必要があります。この点については、「地球のドクター」を自負するオオスミの強みだと思っています。