先日テレビで、2つの自動化装置の導入事例を見ました。1つは餃子屋さんが半自動餃子包みマシンを、もう1つはラーメン屋さんがひたすら刀切麺を切り続けるマシンを導入するものでした。
餃子屋さんの店主は、作りつづけているとどうしても品質に差が出てしまうが、これでその差がなくなる、と。ラーメン屋さんは、マシンには製麺に専念してもらうことで、自分はチャーハン作りに専念できる、と。
この冬、オオスミも業務の改善に向けて、新しいシステムを導入しました。分析工程管理システムです。
このシステムは、受注情報と分析における基礎データから、分析計画を立案してくれるものです。
分析工程の悩み解決ツール?
今までの分析技術グループには大きな2つの悩みがありました。
1つは、顧客の要求である短納期に対応し、かつ多品目の分析を効率的にこなさなければならないこと。
もう1つは、そのための人手による業務調整に時間がかかることです。
オオスミの分析工程を担う分析技術グループは、社員をはじめ、派遣さんパートさんアルバイトさんで総勢43名になります。それぞれ勤務時間が違えば、得意不得意も、仕事に対する考え方も多種多様です。
その上で、いかに効率的な分析計画を立案するかが大きな課題でした。
もちろん分析計画を立案する側にも得意不得意があるので、人によって時間がかかったり、計画の質にも調整者の考え方が如実に出てしまいます。
これを解決したのがこのシステムです。
まとめられるものはまとめて行う効率的な計画を立案します。
人の調整も、共有設備や共有分析装置の調整も丸ごと解決するのです。
あらかじめ基礎データを入れておくことで、いつでも同じ指標をもって計画が立案されるようになりました。
また、計画立案する社員約20名の業務時間も削減できます。そして削減できた時間で、他のことをやろうという考えです。
メリットは分析工程だけ?
分析にかかわる工程の立案というと、会社の一部の部署だけにメリットがありそうな印象ですが、そういうわけではありません。
まず、システムによる計画立案により空いた時間を違うことに費やすことができます。ワークライフバランスとして早くあがるもよし、営業同行もよし、研究に使うもよし。
ここから新しい何かができるかもしれません。
顧客との会話の種になったり、外部発表の機会があれば、そこから誰かの役に立てるようになるかも?
さらには、受注検討の際にも役立ちます。
これまで、人によって回答が違うことがありました。これは、人によって能力や状況を同じように把握することができなかったために起こること。これが、同じ指標で立案された計画だと統一され、人による回答の違いが軽減されます。ですから、もう受注判断で迷うことはありません。
システムは万能ではない
このシステムで社員の業務調整にかかる時間が軽減されることは間違いありません。
ただ、システムはあくまでツールでしかありません。
いくら効率的な計画ができても、それを行うか行わないかは人次第です。
事前情報が必須なので、全社の協力があってこそ、このシステムが成り立ちます。
使い方によって、いいものにもそうでないものにもなり得ます。
これを書いてる現在は、システムが導入され、各分析項目に対応するよう微調整を行っています。
と同時に、人が行っている同時進行作業をいかに再現できるようにするかを考えながら、気遣いで行っている作業工程や、人の気分で行っていた作業を標準化することを行っています。
一連の工程を客観的に見てみると、合理化や標準化すべきことがいろいろ出てきます。これまで担当者任せだったものが明らかになるということも、このシステム導入における大きなメリットの1つです。
最後に、この件、日環協関東大会でも発表しましたが、各社さんにご興味を持っていただけました。その各社さんによい報告ができるよう、遅くまで能力落とし込みを行ってくれた皆さん、それをフォローしてくれているみなさんにとってもよいものになるよう、がんばりたいと思います。