オオスミでは、建築工事等に伴い発生する建設発生土(残土)を場外処分するために、搬出前に対象範囲の土砂の化学性状を分析し、条例等で定められた残土受け入れ先の基準値に適合していることを確認する『残土調査』を行っています。
 最近、この調査を行うにあたり、ボーリングを使用する機会がとても増えてきたと感じています。
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土壌調査とは範囲・項目設定の考え方が異なる

 残土調査は、残土条例がある自治体(千葉県、茨城県等)に処分場がある場合に必要となります。一方、土壌汚染状況調査も土壌汚染の状況を把握するための調査ですが、調査範囲、分析項目の設定についての考え方が異なっています。そのため、土壌汚染状況調査で汚染の懸念がないと判定された土地でも、残土調査で受入れ先の基準値を超過するケースがあります。

円滑な工事進行には早めの残土ボーリング

 残土調査の際、砒素、ふっ素などの重金属類が基準値を超過することがしばしば見られます。これは自然界に存在している重金属類、いわゆる「自然由来」によるものと考えられています。
 建築工事等の掘削中に基準超過が確認された場合、残土は汚染土として扱われるため、工事費の増大や掘削・搬出計画の変更による工期の延伸など、工事計画全体に対して影響を及ぼすことが懸念されます。
 また、以前の残土調査では、表層のみを採取・分析していましたが、最近では、表層から床付け深度まで均一に採取するよう行政指導している自治体もあります。
イメージ.png  以上のことから、工事を円滑に進めるためには、なるべく早い時期でボーリングによる残土調査(残土ボーリング)を実施することが望ましいと考えます。

重要性が高まってきた残土ボーリング

 オオスミにおける残土ボーリングの件数は過去6年間で5倍程度と上昇しており、残土ボーリングの重要性が高まっていると実感しています。
 私は今まで100件以上の残土ボーリングを行ってきました。調査は、杭打工や山留工など他工種の大型重機が稼働している中で実施することが多く、安全かつ計画通りに調査を進めていくために、他社の業者の方との調整に大変苦労することもあります。
 でも調査が無事に終了し、しばらくたってから、調査を行った場所に立つ新築の高層ビルを見た時は、「ここで調査をやったんだなぁ」と感慨深い気持ちでいっぱいになります。

調査第一グループ 藤平