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解体工事に伴う木材のCCA等の分析

 解体工事の際に適正な処理を行う必要がある「CCA等」についてご存じでしょうか?

 「CCA等」とは、木材の防腐処理に使われていた有害物質のクロム(Chromium)、銅(Copper)、ヒ素化合物(Arsenic)、クレオソート、クロルデン類のことです。

 建設リサイクル法に基づく、東京都の建設リサイクルガイドラインでは「防腐、防蟻のためCCAが注入された木材は、それ以外の部分と分離、分別し、廃棄物処理施設において適正な処理を行う」と記載されており、オオスミにも分析のご相談をいただくことがあります。

CCA処理木材とは?

unnamed.png CCAは木材の防腐・防蟻に優れた性能を持つことから、1960年代半ばから1990年代にかけて、家屋の土台などに使用されてきました。その後、生物に対する毒性や環境負荷が高いことから使用されなくなっていますが、過去にCCA処理された木材を使った建物の解体時には注意が必要です。

 環境省の調査※によると、CCA で処理された解体土台の排出量は、2000 年以降急速に増加し、2010 年には排出土台の約4割を占める約9千 m3、2020 年ごろには排出土台の5割を占める約 1 万 2 千m3 となってピークを迎え、さらに、2030 年ごろまでは1万 m3 を上回る排出が続くものと推計されています。
環境省「廃木材有効利用における CCA 処理木材選別の調査」

CCA処理木材は解体時に分別が必要

 上述の通り、建設リサイクル法に基づく、東京都の建設リサイクルガイドラインでは「防腐、防蟻のためCCAが注入された木材は、それ以外の部分と分離、分別し、廃棄物処理施設において適正な処理を行う」と記載されており、解体時に分別する必要があります。

<東京都建設リサイクルガイドライン(p56,58,巻末‐69)より抜粋>
https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/seisaku/recy/pdf/recy_guide2023.pdf

■有害物質等の処理方針
受注者は、以下の品目ごとの処理方針に基づき、有害物質等を適正に処理する。また、受注者は、建築物の解体工事や修繕・模様替等の工事に当たっては、工事着手前に「有害物質チェックリスト」により有害物質等の有無をチェックし、監督員にこれを提出する。

■CCA、クロルデン類、クレオソート処理木材
● 防腐・防蟻のため CCA(クロム、銅、ひ素の化合物)及びクレオソートが、防蟻のためクロルデン類(化審法施行令の第1条第8号に規定する物質をいう。)が注入又は塗布された木材は、それ以外の部分と分離、分別するものとし、それが困難な場合は、これらが含まれているものとして、廃棄物処理施設において適正な処理を行うものとする。
● 特に CCA については、以下を参考として、建築物に用いられた CCA 処理木材の判別をし、判別結果に基づき、適正に CCA 処理木材を分別・処理する。
 (参考図書)
・家屋解体工事における CCA 処理木材分別の手引き(改訂版) (平成18年3月北海道立林産試験場)
・「ウッドスキャン」による CCA 処理木材分別の手引き (平成17年3月廃木材リサイクル研究会)

■有害物質等チェックリスト(建材等)の一部抜粋
確認する製品等含有物質名有 無必要な措置
防腐、防蟻のため
CCAが注入された木材
〇土台 〇大引き
〇台所等の水回り
CCA
(クロム、銅、ヒ素)
□有→
□無
CCAが注入された木材は、
それ以外の部分と分離、分別し、
廃棄物処理施設において
適正な処理を行う。

 解体工事の際に木造土台が見込まれる場合または発見された場合は、土壌調査や建物調査と合わせてCCA等の分析もオオスミへご相談ださい!

 経営企画室 平野