平成26年3月28日付け官報に新たに建材製品中のアスベスト含有率測定方法JIS A 1481-1~-3:2014(新JIS法)が公示され、平成26年3月31日付け官報にてJIS A 1481:2008 (旧JIS法)が廃止されました。
 今回変更となった新JIS法の概略は表1のとおりであり、定性分析については4つの手法が示されています。

 なお厚生労働省通達により、廃止前に旧JIS法により石綿等の使用の有無の分析を行ったものについて、新設後のJIS法により改めて分析調査を行う必要はないとされております(基安化発0331第3号の1に記載)。また、新設後でも旧JIS法は新JIS法と同等以上の精度を有する分析方法であるとされております(基発0331第31号の2の(2)に記載)。

表1 新JIS法の概略

種別 旧JIS番号および測定方法
(2008年)
新JIS番号および測定方法
(2014年)
注意点 備考
定性分析

JIS A 1481-1

市販バルク材からの試料採取及び定性的判定方法
  • 偏光顕微鏡法(PLM)
  • 走査電子顕微鏡法(SEM)
  • 透過電子顕微鏡法(TEM)
PLM、SEM及びTEMでアスベストが確認された場合は、アスベスト含有と判断する。 4手法から選択する

JIS A 1481

建材製品中のアスベスト含有率測定方法
  • 位相差・分散顕微鏡法、X線回折法

JIS A 1481-2

試料採取及びアスベスト含有の有無を判定するための定性分析方法
  • 位相差・分散顕微鏡法、X線回折法
3スライドで3000粒子中アスベストが4繊維以上確認された場合は、アスベスト含有と判断する。
バーミキュライト(ひる石)はX線回折法にて判定する。
:基安化発1228第1号に記載
定量分析

JIS A 1481

建材製品中のアスベスト含有率測定方法
  • X線回折法

JIS A 1481-3

アスベスト含有率のX線回折定量分析方法
  • X線回折法
検量線Ⅰ,Ⅱ法と2種類の検量線により、予想される含有率によって使い分けて定量する必要がある。 アスベスト含有率が1%以上と予想される場合は検量線Ⅰ法、1%未満と予想される場合には検量線Ⅱ法を用いる。

 詳細は厚生労働省の「石綿含有率の分析関係(天然鉱物、蛇紋岩系モルタル混和材関係を含む。)」の関係通達をご覧ください。

 当社は、アスベスト調査・分析に関し、長年にわたる幅広い経験を有しております。「建物にアスベスト(石綿)が使用されているか知りたい」「使用しているのは分かっているが、どうしたら良いか分からない」等ございましたら、是非お問合せください。